新型コロナにより売上が減少した事業者に対し支給された「給付金」「助成金」等は、確定申告の際に雑収入として計上する必要があります。その場合必然的に所得もアップすることから、例年よりも税額が多く発生することが想定されます。
そこで、おすすめなのが「小規模企業共済」です。小規模企業共済は、個人事業を廃業したときや、会社等の役員を退職した後の生活資金等をあらかじめ積み立てておくことを目的にした制度で、掛け金は全て「小規模企業共済等掛け金控除」として所得控除され、退職後は退職金として受け取ることが可能です。(条件あり)
掛金は、月額1,000円から70,000円の範囲で設定が可能で、来年分の掛け金を前払することで、大幅な節税効果が期待できます。
つきましては、給付金等により税額がアップしそうな方におかれましては、節税対策の一環として、「小規模企業共済」をおすすめいたしますので、新規申込及び増額を希望される方は商工会までお問合せください。
なお、今年中(12月まで)に支払った分が令和3年度確定申告の控除対象となりますので、お早めにお手続きください。
小規模企業共済
概要
個人事業をやめたとき、会社等の役員を退職したときなど、事業主の退職後の生活資金等をあらかじめ積み立てておくことを目的とした共済制度です。
ご加入できる方
- 常時使用従業員が20人以下(商業・サービス業は5人以下)の個人事業主
- 共同経営者(2名まで)
- 会社の役員等
掛け金
月額1,000円〜70,000円の範囲で自由に選べます。
共済金
以下の事由の場合に共済金が支払われます。
- 事業をやめたとき。
- 会社役員を病気、死亡等により退職したとき。
- 会社役員を任意退職、配偶者や子へ事業譲渡した場合。
- 老齢給付として受け取ることもできます。
貸付金
納付した掛け金合計額の範囲内で、事業資金等の貸付を受けられます。(担保、保証人不要)
特典
- 掛け金全額が、「小規模企業共済等掛け金控除」として所得控除されます。
- 受取共済金は、「退職所得」又は「公的年金等の雑所得」になります。
※ 一部、一時所得になる場合があります。
その他
月、半年、年払を選択することができます。
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経営セーフティーネット共済
概要
経営セーフティ共済とは、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する共済制度で、取引先が倒産してしまった際に巻き込まれて連鎖倒産したり、経営難になったりすることを防ぐことを目的とした制度です。
共済に加入することで貸付制度が受けられるようになるほか、事業所得なら年間最大480万円(20万円×12カ月)が必要経費(法人の場合は損金)になるなど、多くのメリットのある制度です。
加入条件
加入資格は、継続して1年以上事業を行っている中小企業者で、かつ一定の要件に該当する場合に加入することができます。
経営セーフティ共済の掛金は、月額5,000円から20万円の範囲内で、設定することができます(5,000円きざみ)。また、加入後増額することもできます。
加入条件は、1年以上継続して事業を行っている中小企業者で、かつ次の表の「資本金額等」または「従業員数」のいずれかに該当する会社であれば、加入することができます
業種 | 資本金の額または出資の総額 | 常時使用する従業員数 |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業ならびに工業用ベルト製造業を除く。) | 3億円以下 | 900人以下 |
ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
経営セーフティーネット共済のメリット
この制度の一番のメリットが、掛金の税制優遇で高い節税効果があるという点です。
経営セーフティ共済に加入すれば、確定申告の際にはその掛金を損金(個人事業主は必要経費)に算入することができるので、たとえば掛金を月額20万円にすれば最大で年間240万円を損金に算入することができます。
さらに、一括払いをすることもできるので、期末に240万円を損金として計上すれば、事業所得なら年間最大480万円を損金(個人事業主は必要経費)とすることができます。 支払い保険等の科目で経費計上が可能です。 法人の場合、「保険積立金」などの科目で資産計上し、申告時に減産処理することも可能な為、税理士さんと相談の上ご検討ください。
注意点
40ヶ月以上納付すれば、掛け金が100%が戻ってきます。(12ヶ月以上納付すれば80%以上戻ってきます)
ただし、解約手当金を受け取った時には課税されるので解約のタイミングに注意して下さい。(赤字の時に解約するのがお得です)
経営セーフティ共済は、あくまで緊急時に借り入れができるという保険を掛けながら、掛金を損金にすることができる制度です。
毎期の納税額は少なくなりますが、解約手当金の入金時には一気に課税されるので、税負担という意味ではトータル的には変わりません。
例:毎月10万×12ヶ月×10年掛けた場合、年間120万、トータルで1200万を経費計上が可能となり節税効果が期待できますが、
解約した時点で1200万円を雑収入として計上することになるため、大幅に収入が増えてしまいます。